文章が劇的に変わる!具体と抽象を使いこなすライティング術
文章が劇的に変わる!具体と抽象を使いこなすライティング術

ライティングにおいて大切な概念である「具体」と「抽象」について。普段の会話や文章の中で「具体的に説明して」「もっと抽象的にまとめると?」といったフレーズを聞いたことがあるかもしれません。しかし「具体と抽象を意識して書く」と言われたときに、正しくその意味を理解し、活用できているでしょうか?
「なんとなく使い分けているけど、深く考えたことはないかも…」という方も多いはず。でも、この具体と抽象のバランスをしっかり意識して書くことで、文章の伝わり方は大きく変わります。特にセールスライティングでは、読者の興味を引き、納得感を持たせ、最終的に行動へと導くために欠かせない要素です。
具体と抽象とは何なのか? なぜこれが重要なのか? そして、意識しないとどんな問題が起こるのか?今回は、具体と抽象の違いと効果を明確にし、ライティングに活かす方法を徹底解説していきます。
「具体」と「抽象」って何?その違いと必要性
まず、「具体」と「抽象」の違いを理解しましょう。
具体とは?
具体的な表現とは、詳細や事例、数字や感覚的な情報を用いて、読者がイメージしやすくするものです。
例:
この美容液はコラーゲンの生成を3倍にし、28日後には肌のハリがアップします。
このファンデーションは微粒子パウダーが毛穴をふんわりカバーし、夕方まで崩れません。
具体的な表現を入れることで、読者は「この商品は自分に合っているかも!」と納得しやすくなります。
抽象とは?
抽象的な表現とは、物事の本質や概念を広く説明するものです。具体的な詳細を省略し、シンプルにまとめた形になります。
例:
エイジングケアに最適な美容液です。
このファンデーションは美しい仕上がりを実現します。
このように、抽象的な表現は大きな枠組みや価値観を伝えるのに向いています。しかし、具体性がないため、読者がイメージしにくいという弱点もあります。
なぜ「具体」と「抽象」を意識することが重要なのか?
ライティングにおいて、具体と抽象の使い分けが必要な理由は大きく3つあります。
① 読者の理解度が変わる
抽象的な表現だけでは「なんとなく良さそう」と感じるものの、実際にどんなメリットがあるのかが伝わりにくい。一方、具体的な表現を加えることで、「これは私の悩みに合っている」と実感しやすくなります。
② 読者の行動につながる
セールスライティングでは、「読者に行動を起こさせること」が最終目的です。そのためには、単に「良い商品です」と伝えるだけでなく、「この商品を使うと、こういう変化が起こる」という具体的なイメージを持たせる必要があります。
③ 信頼感が生まれる
具体的な数値やデータ、実体験を示すことで、読者に信頼感を持ってもらいやすくなります。「ただの宣伝っぽい話」ではなく、「実際に効果があるものなんだ」と思わせることができます。
具体と抽象のバランスが悪いとどうなるのか?
抽象的すぎると:ぼんやりした印象になり、説得力がなくなる
具体的すぎると:ストーリーがなくなり、ただの情報の羅列になってしまう
だからこそ、バランスが重要なのです。
「具体」と「抽象」を使いこなすには?
文章を書く際には、まず大きな方向性を示し(抽象)、その後に具体的な事例を交えることで、読者の理解を深めることができます。
1. まずは抽象でメッセージを伝える
「紫外線は肌老化の80%を占めると言われている。」
→ これは広い視点での情報(抽象的)。
2. 具体的な日常シーンを描写する
「朝、窓際でコーヒーを飲む10分間。その間にも、あなたの肌は紫外線を浴びている。」
→ これが身近でイメージしやすい具体的な表現。
▼他の例
抽象:「乾燥は肌トラブルの大きな原因です。」
具体:「冬場、暖房の効いた部屋で過ごすと、数時間で肌の水分量が30%減少すると言われています。」
抽象:「肌の透明感を保つには保湿が大切です。」
具体:「洗顔後3分以内に化粧水をつけると、肌の水分蒸発を防ぎ、透明感が続きます。」
マクロ視点とミクロ視点も意識するとさらに深みが増す
さらに、文章をより深みのあるものにするためには、「マクロ」と「ミクロ」の視点も取り入れると良いです。
マクロとミクロの違いを一言で表すと、
マクロ=広い視点(業界・社会・科学的データなど)
例:近年、美容業界では発酵成分を使ったスキンケアが注目を集めています
ミクロ=身近な視点(個人の日常・経験・感情など)
例:この発酵美容液は納豆菌由来のエキスが配合されており、翌朝の肌がしっとりうるおうのを実感できます
マクロ視点とは、広い視野で物事を捉えること。業界全体のトレンド、社会の動向、科学的なデータなど、大きな枠組みで語ることで、信頼性と説得力を高めることができます。
一方で、ミクロ視点は、個々の具体的な経験やエピソードに焦点を当てるもの。日常生活での出来事や実際の使用感を伝えることで、読者が共感しやすくなります。
マクロな視点で興味を引き、ミクロな視点で「私にも使ってみたい!」と思わせる。この組み合わせが、読者に響く文章を作る上で非常に効果的です。
マクロとミクロ、具体と抽象は似た概念ですが、厳密には異なります。具体と抽象は「情報の明確さや詳細度」の違いを指し、マクロとミクロは「視点のスケール」の違いを意味します。
まとめ:視点の変換で読者の心を揺さぶる文章を書けるように
今回は、具体と抽象、マクロとミクロといったライティングをするときの視点の切り替えについてお話ししました。こういった考え方は、ライティングをするときはもちろん、日常においてもより人生を豊かにするうえで大切です。
ものごとを一方からみるのではなく、広く見る、狭く見る、違う角度から見るといった具合にしてみると、人とのコミュニケーションも変わってきます。この考え方を文章にも活かしてみましょう。